「お墓を引き継ぐ人がいない」「子どもに迷惑をかけたくない」――少子高齢化が進む現代、お墓の継承問題で悩んでいる方は年々増えています。
管理する人がいなくなったお墓は「無縁墓」となり、最終的には撤去されてしまいます。大切なご先祖様のお墓がそうならないよう、早めに対策を講じることが重要です。
この記事では、お墓の継承者がいない場合に取れる具体的な対処法を、費用や手続きの流れとともにわかりやすく解説します。

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お墓の継承者がいないとどうなるのか
無縁墓になるまでの流れ
お墓の管理費が未払いの状態が続くと、まず霊園や寺院から督促の連絡が届きます。それでも支払いが行われない場合、官報や立て札によって1年間の告知が行われ、申し出がなければお墓は「無縁墓」として整理されます。
無縁墓と認定されると、墓石は撤去され、遺骨は合祀墓に移されます。ご先祖様の遺骨が見知らぬ方の遺骨と一緒に合祀されてしまうのは、多くの方にとってつらいことでしょう。
増え続ける無縁墓の現状
全国の自治体では、無縁墓の増加が深刻な問題となっています。特に過疎化が進む地方では、お墓を管理する人が都市部へ移住してしまい、放置される墓地が増えています。
継承者がいない場合の5つの対処法
1. 親族に継承を相談する
まず検討すべきなのは、兄弟姉妹や甥・姪など、親族にお墓の継承をお願いすることです。お墓の継承者は長男である必要はなく、法律上は血縁関係がない方でも祭祀承継者になることが可能です(民法第897条)。
ただし、押し付けにならないよう、相手の気持ちや状況を十分に尊重して話し合いましょう。
2. 墓じまいをして永代供養に改葬する
継承者が見つからない場合、最も一般的な対処法が「墓じまい」です。現在のお墓を撤去し、遺骨を永代供養墓に移すことで、管理の心配がなくなります。
墓じまいの費用は、墓石の撤去費用が10万〜30万円、改葬先の永代供養費用が10万〜100万円程度です。寺院墓地の場合は離檀料として5万〜20万円が必要になることもあります。
3. 永代管理のお墓に切り替える
墓じまいをせずに、霊園側に永代管理を依頼する方法もあります。永代管理とは、一定の費用を支払うことで霊園がお墓の管理を永続的に行ってくれるサービスです。
お墓の形はそのまま残せるため、墓じまいに抵抗がある方にも適しています。費用は霊園によって異なりますが、30万〜100万円程度が目安です。
4. 樹木葬・納骨堂への改葬
従来のお墓から樹木葬や納骨堂に遺骨を移す方法です。どちらも後継ぎが不要な供養方法で、管理の手間がかかりません。
樹木葬の費用は20万〜80万円、納骨堂は20万〜200万円程度です。都市部の納骨堂は駅から近い場所にあることが多く、お参りのしやすさも魅力です。
5. 散骨を選択する
遺骨をお墓に納めず、海洋散骨で自然に還すという選択肢もあります。費用は5万〜30万円程度と手頃で、管理費も一切かかりません。
ただし、すべての遺骨を散骨してしまうとお参りする場所がなくなるため、一部を手元に残しておく「分骨」を併用する方もいます。
どの方法を選ぶ場合も、改葬許可証が必要です。改葬許可証は、現在のお墓がある自治体の役所で申請します。手続きには2週間〜1ヶ月程度かかるため、余裕をもって準備しましょう。
墓じまいの具体的な手順
ステップ1:家族・親族への相談
墓じまいは家族全員に関わる問題です。独断で進めると「なぜ相談してくれなかったのか」とトラブルになることがあります。まずは関係者全員で話し合い、方向性を共有することが大切です。
ステップ2:改葬先の決定
遺骨の受け入れ先を先に決めておきます。永代供養墓、樹木葬、納骨堂、散骨などの中から、家族の希望と予算に合う方法を選びましょう。
ステップ3:改葬許可の申請
現在のお墓がある自治体で改葬許可証を申請します。必要書類は、改葬許可申請書、受入証明書(改葬先から発行)、埋葬証明書(現在の管理者から発行)です。
ステップ4:お寺への連絡と閉眼供養
寺院墓地の場合は、住職にお墓じまいの意向を伝えます。閉眼供養(お性根抜き)を行い、お墓から魂を抜く儀式をしてもらいます。お布施の相場は3万〜5万円程度です。
ステップ5:墓石の撤去と更地化
石材店に依頼して墓石を撤去し、区画を更地に戻します。撤去費用は1㎡あたり10万〜15万円程度が目安です。
ステップ6:改葬先への納骨
取り出した遺骨を改葬先に納骨し、手続き完了です。改葬先では開眼供養を行うことが一般的です。
墓じまいの詳しい手続きについては、お墓さがしなどの専門サイトでも確認できます。

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継承問題を未然に防ぐための終活のすすめ
生前にお墓の方針を決めておく
「自分が亡くなった後にお墓をどうしてほしいか」を生前に決めておくことで、残された家族の負担を大幅に軽減できます。エンディングノートに希望を記しておくのも有効な方法です。
永代供養付きのお墓を事前に購入する
継承者がいないことがわかっている場合は、最初から永代供養付きのお墓を選んでおくのが最も確実な方法です。生前に購入(寿陵)することも可能で、その場合は自分の目で確認してから決められるメリットがあります。
死後事務委任契約の活用
おひとりさまの場合は、死後事務委任契約を結んでおくことで、お墓の管理を含む死後の事務手続きを第三者に委任できます。弁護士や司法書士、NPO法人などに依頼できます。
よくある質問
お墓の継承者は血縁者でなくてもいいのですか?
はい、民法第897条では、祭祀財産の承継について「慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する」と定められています。血縁関係がなくても、故人の遺言や家庭裁判所の審判によって継承者を指定することが可能です。
お墓の管理費を払い続ける経済的余裕がありません
自治体によっては、墓じまいの費用を一部補助する制度を設けているところもあります。まずはお墓がある地域の自治体に相談してみてください。費用が抑えられる合祀墓への改葬も選択肢の一つです。
兄弟で意見が合わない場合はどうすればいいですか?
話し合いで解決できない場合は、家庭裁判所の調停を利用することもできます。ただし、まずは各自の希望と懸念点を整理し、冷静に話し合うことが大切です。お墓の専門家や終活カウンセラーに相談するのもおすすめです。
相続やお墓の継承問題については、裁判所のサイトで調停の手続きを確認できます。

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