エンディングノートを買ったはいいけれど、ページを開いた瞬間に「何を書けばいいかわからない」と手が止まってしまう方は非常に多いです。項目が多くて圧倒されたり、どこまで詳しく書けばいいか迷ったりするのは自然なことです。
しかし安心してください。エンディングノートは一気に全部書く必要はありませんし、正解も不正解もありません。大切なのは、少しずつでも書き進めていくことです。
この記事では、エンディングノートに書くべき6つの項目を順番に解説し、「何を」「どう書けば」いいか具体的にガイドしていきます。この記事を見ながら少しずつ埋めていけば、きっと完成に近づけるはずです。

項目1:基本情報【まずここから】
一番簡単で、5分あれば書けるページです。ウォーミングアップとして最適ですから、まずはここから始めてみてください。
書く内容
- 氏名、生年月日、血液型
- 住所、電話番号
- 本籍地
- マイナンバー
- かかりつけ医の名前と連絡先
- 常用薬の名前と用量
- アレルギー情報
- 健康保険証の番号
「こんな基本的なこと?」と思うかもしれませんが、緊急時にこの情報がすぐ見つかるかどうかで対応速度がまったく違います。特にかかりつけ医と常用薬は、救急搬送されたときに非常に重要な情報です。家族が把握していないケースも多いため、ここだけでも書いておく価値は十分にあります。
本籍地は普段意識しないため、いざ書こうとすると「どこだっけ?」となる方が多い項目です。戸籍謄本や住民票の写しで確認できますので、わからない場合は市区町村の窓口で確認してみてください。
項目2:財産・資産の一覧
ここは少し時間がかかりますが、終活の中で最も実用的な部分です。万が一のときに家族が最も困るのが「お金の情報がわからない」という状況ですから、優先度の高い項目と言えます。
書く内容
- 銀行口座(銀行名、支店名、口座番号)
- 証券口座(証券会社名、口座番号)
- 不動産(所在地、名義)
- 保険(保険会社名、種類、証券番号、受取人)
- 年金(基礎年金番号)
- ローン・借入金(残高、返済先)
- クレジットカード(カード会社名、引き落とし口座)
暗証番号やパスワードを書くかどうかは悩ましいところです。書く場合はノートの保管場所を限定して、信頼できる人だけに伝えるようにしてください。別の紙に書いて別の場所に保管するという方法もあります。
全部を一度にリストアップしようとすると大変ですから、通帳を見つけたら書く、保険の通知が届いたら書く、というペースで少しずつ埋めていくのがおすすめです。
項目3:デジタル関連の情報
現代の終活で見落とされがちですが、ここは絶対に書いておくべき項目です。デジタル遺品の問題は年々深刻化しており、何も情報がないと家族が対応に苦労します。
書く内容
- スマホ・パソコンのパスワード(ロック解除方法)
- メールアカウント
- SNSアカウント(希望する処理方法も記載)
- サブスクリプションサービスの一覧
- ネットバンキングの情報
- 写真・データの保管場所
- 有料サービスの解約方法
Googleのアカウント無効化管理ツールでは、アカウントが一定期間使われなかった場合の処理方法を事前に設定できます。こういったデジタルの終活も、今の時代には欠かせない準備です。
特にスマホのロック解除方法は最重要です。スマホにアクセスできないと、連絡先リストにもネットバンキングにもたどり着けなくなります。家族にロック解除方法を伝えておくだけでも、大きな安心につながります。
項目4:医療・介護の希望
自分で意思表示できなくなったときのために、事前に書いておくことが本当に大事な項目です。ここを書いておかないと、家族が重い判断を迫られることになります。
書く内容
- 延命治療の希望(する / しない / 家族に任せる)
- 臓器提供の意思
- 認知症になった場合の介護の希望
- 入院・介護施設の希望(自宅介護か施設か)
- 告知の希望(余命宣告を受けたいか)
- 医療・介護の判断を任せる人
この項目は家族としっかり話し合っておくべきです。厚生労働省のACP(人生会議)のガイドラインを参考にすると、話し合いのポイントがわかります。
「延命治療をしない」と書いたとしても、法的拘束力はありません。しかし本人の意思が文書で残っていることが、家族の判断を大きく助けることは間違いありません。

項目5:葬儀・お墓の希望
ここを書いておくと、遺族の精神的負担が劇的に減ります。葬儀の段取りは悲しみの中で短期間に決めなければならないため、本人の希望が残っているだけで家族の心理的負担が大幅に軽くなるのです。
書く内容
- 葬儀の形式(一般葬、家族葬、直葬、一日葬など)
- 葬儀の規模・予算の目安
- 遺影に使ってほしい写真
- 葬儀で流してほしい音楽
- お墓の種類と場所の希望
- 連絡してほしい人のリスト
- 宗派・菩提寺の情報
遺影の写真は意外と盲点で、良い写真がなくて困る遺族が非常に多いのが現実です。元気なうちに気に入った写真を1枚選んでおくと、家族はとても助かります。最近はプロに遺影用の写真を撮ってもらうサービスも増えています。
項目6:家族へのメッセージ
エンディングノートの中で一番「書いてよかった」と言われる項目がこちらです。
書く内容
- 家族一人一人への感謝の言葉
- 伝えておきたいこと
- 家族への希望(兄弟仲良くなど)
- 人生で大切にしてきたこと
「改まって書くのは恥ずかしい」と感じるかもしれませんが、この部分が遺族にとって一番の宝物になることは間違いありません。手紙を書くつもりで、素直な気持ちをそのまま綴ってみてください。
書くときの3つのコツ
最後に、挫折しないで書き続けるためのコツをお伝えします。
コツ1:一度に全部書こうとしない
1日1項目、15分だけと決めて少しずつ進めましょう。完成まで1ヶ月かかっても問題ありません。むしろゆっくり書いた方が、書き漏れが少なくなります。
コツ2:鉛筆で書いて定期的に更新する
情報は変わるものですから、消せる筆記具で書くのが正解です。年に一度の見直しで最新情報に更新していきましょう。
コツ3:保管場所を家族に伝える
せっかく書いても見つけてもらえなかったら意味がありません。ノートの存在と保管場所は必ず信頼できる家族に伝えておいてください。
エンディングノートは、あなたから家族への最高の贈り物です。いいお墓でも終活関連の情報が充実していますので、併せてチェックしてみてください。

エンディングノートの書き方に正解はありません。大切なのは完璧を目指さず、書けるところから少しずつ埋めていくことです。この記事を参考に、今日から1項目だけでも書き始めてみてください。

