「お墓は必ず建てなければいけないの?」「お墓を持たない場合、遺骨はどうすればいいの?」と疑問に感じている方は少なくありません。
近年は価値観の多様化や少子化の影響もあり、従来型のお墓を建てない選択をする方が増えています。厚生労働省の調査でも、墓地の新規利用件数は減少傾向にあり、代わりに樹木葬や納骨堂といった新しい供養スタイルが注目を集めています。
この記事では、お墓を建てない場合の具体的な供養方法や、選択する前に知っておきたいメリット・デメリットを詳しく解説します。

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お墓を建てない人が増えている背景
少子化・核家族化の影響
日本では少子高齢化が急速に進み、お墓の継承者がいないという世帯が増えています。総務省の統計によると、単独世帯は全世帯の約38%を占めており、従来のように「家のお墓を代々受け継ぐ」という形が難しくなっています。
お墓を建てても管理する人がいなければ、無縁墓になってしまうリスクがあります。そうした将来への不安から、最初からお墓を建てないという判断をする方が増えているのです。
費用面の負担
一般的なお墓を新たに建てる場合、墓石代・永代使用料・管理費を合わせると総額100万〜300万円程度かかります。さらに年間の管理費も5,000円〜15,000円程度が継続的に発生します。
経済的な理由から、より費用を抑えられる供養方法を選ぶ方も少なくありません。
価値観の変化
「立派なお墓を建てることが供養」という考え方から、「形にこだわらず気持ちを大切にする」という方向へ、供養に対する価値観が変化しています。自然に還りたいという希望から散骨を選ぶ方や、手元に遺骨を置いて日常的に供養したいという方も増えています。
お墓を建てない場合の6つの供養方法
永代供養墓
永代供養墓は、寺院や霊園が遺族に代わって供養・管理を行ってくれるお墓です。後継ぎがいなくても安心して利用できる点が最大のメリットです。
費用は合祀型で10万〜30万円、個別安置型で30万〜100万円程度が相場です。一定期間(13回忌や33回忌など)は個別に安置され、その後は合祀されるのが一般的な流れです。
樹木葬
樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標とする埋葬方法です。自然の中で眠りたいという方に人気があり、近年最も選ばれている供養方法の一つです。
費用相場は20万〜80万円程度で、一般墓と比べて大幅に費用を抑えられます。後継ぎが不要な場合がほとんどで、永代供養が付いているプランも多いです。
納骨堂
納骨堂は、屋内の施設に遺骨を安置する方法です。天候に関係なくお参りできる点や、都市部にも多くあるためアクセスが良い点がメリットです。
ロッカー式(20万〜50万円)、自動搬送式(50万〜150万円)、仏壇式(50万〜200万円)など、さまざまなタイプがあります。
散骨
散骨は遺骨を粉末状にして海や山に撒く供養方法です。海洋散骨が最も一般的で、費用は個別散骨で20万〜30万円、合同散骨で5万〜10万円程度です。
法律上、散骨に関する明確な法律はありませんが、「節度をもって行う」ことが求められています。自治体によっては条例で規制している地域もあるため、事前の確認が必要です。
手元供養
手元供養は、遺骨の全部または一部を自宅に置いて供養する方法です。ミニ骨壺やメモリアルアクセサリーに遺骨を納めるスタイルが人気です。
費用は数千円〜数万円程度と非常に手頃で、故人をいつも身近に感じられるというメリットがあります。ただし、将来的に自分が亡くなった後の遺骨の扱いについては、事前に決めておく必要があります。
合祀墓(合葬墓)
合祀墓は、複数の方の遺骨を一か所にまとめて埋葬するお墓です。個別のスペースがないため費用が安く、3万〜10万円程度で利用できるケースもあります。
ただし、一度合祀すると個別に遺骨を取り出すことはできないため、慎重に判断する必要があります。
供養方法を選ぶ際は、費用だけでなく「故人の希望」「遺族のお参りのしやすさ」「将来の管理負担」の3つの視点で総合的に判断することが大切です。
お墓を建てないメリット・デメリット
メリット
お墓を建てない最大のメリットは、費用を大幅に抑えられることです。一般墓の場合は100万〜300万円かかりますが、散骨や手元供養なら数万円〜数十万円で済みます。
また、管理の負担がなくなる点も大きなメリットです。年間管理費の支払いや定期的な掃除、お墓参りの手間から解放されます。遠方に住んでいてお墓参りが難しい方にとっては、これは非常に大きな利点です。
さらに、後継ぎの心配が不要になります。お子さんがいない方や、子どもに負担をかけたくないという方にとって、継承者不要の供養方法は安心材料になります。
デメリット
一方で、親族間のトラブルにつながる可能性があります。「お墓を建てないなんて故人に失礼だ」と考える親族がいる場合、十分な話し合いが必要です。
また、お参りする場所がない(または限られる)ことで、心の拠り所を失ったと感じる方もいます。手元供養を除いて、多くの供養方法では決まったお参りの場所がないため、慣れるまで時間がかかることもあります。

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お墓を建てないと決める前に確認すべきこと
家族・親族への相談
供養方法は個人の判断だけで決められるものではありません。特に故人の配偶者やお子さん、兄弟姉妹など、近い関係者の意向を必ず確認しましょう。合意なく進めてしまうと、後になってトラブルに発展するケースも少なくありません。
既にお墓がある場合は墓じまいの検討
既存のお墓がある場合は、墓じまいの手続きが必要です。墓じまいには撤去費用として10万〜30万円程度、さらに改葬先の費用がかかります。お寺の墓地の場合は離檀料が発生することもあるため、事前に確認しておきましょう。
墓じまいの具体的な流れについては、お墓さがしなどの情報サイトで詳しく解説されています。
将来の意思変更に備える
今は「お墓はいらない」と思っていても、将来的に気持ちが変わる可能性はあります。合祀してしまうと遺骨を取り出せないため、まずは一時的に納骨堂に安置するなど、柔軟な選択をしておくのも一つの方法です。
供養方法の費用比較
主な供養方法の費用目安を一覧でまとめました。
一般墓は100万〜300万円、樹木葬は20万〜80万円、納骨堂は20万〜200万円、永代供養墓は10万〜100万円、散骨は5万〜30万円、手元供養は数千円〜数万円、合祀墓は3万〜10万円が相場です。
費用だけで判断するのではなく、お参りのしやすさや管理の手間なども含めて総合的に選ぶことが大切です。
各供養方法の詳細な費用については、ライフドットでも確認できます。
よくある質問
お墓を建てないと法律に違反しますか?
いいえ、お墓を建てる法的な義務はありません。墓地埋葬法(墓地、埋葬等に関する法律)では、遺骨の埋葬は墓地以外の場所では行えないと定められていますが、散骨や手元供養は「埋葬」に該当しないとされています。
遺骨を自宅に置いておくことは問題ありませんか?
自宅に遺骨を置いておくこと自体は法律上問題ありません。ただし、自宅の庭などに埋めることは違法になるため注意が必要です。
お墓を建てない場合、法要はどうすればいいですか?
法要はお墓の有無に関係なく行うことができます。自宅で行う場合は、僧侶に出張をお願いすることも可能です。供養の形は多様であり、お墓がなくても故人を偲ぶ方法はたくさんあります。

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