「老後に年金っていくらもらえるの?」は、多くの方が気になるテーマではないでしょうか。将来の生活設計を考えるうえで、自分がもらえる年金額を把握しておくことはとても大切です。
この記事では、国民年金と厚生年金の平均受給額から、自分の年金額を計算する方法、年金を増やすための対策まで、わかりやすく解説します。

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年金制度の基本をおさらい
日本の公的年金は2階建て構造になっています。まずは基本的な仕組みを確認しましょう。
1階部分:国民年金(老齢基礎年金)
日本に住む20歳〜60歳のすべての方が加入する制度です。自営業・フリーランスの方(第1号被保険者)は自分で保険料を納め、会社員・公務員の方は厚生年金保険料に含まれる形で加入しています。
2階部分:厚生年金(老齢厚生年金)
会社員や公務員が加入する制度です。保険料は給与から天引きされ、会社と折半で負担します。加入期間と報酬(給与)に応じて受給額が変わるのが特徴です。
年金の平均受給額はいくら?
令和8年度(2026年度)の年金額は以下のとおりです。
| 年金の種類 | 月額 | 備考 |
|---|---|---|
| 国民年金(老齢基礎年金)満額 | 約70,600円 | 40年間保険料を納めた場合 |
| 厚生年金(国民年金含む)平均 | 約150,000円 | 厚生労働省「年金制度基礎調査」 |
| 夫婦モデル世帯 | 約237,000円 | 夫:平均的収入で40年加入+妻:専業主婦 |
出典:厚生労働省「令和8年度の年金額改定について」
2026年度は前年度と比べて国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%引き上げられました。この改定は物価や賃金の上昇を反映したものですが、マクロ経済スライドによる調整も入るため、物価上昇と同じペースで年金が増えるわけではない点には注意が必要です。
年金の仕組みをもう少し落ち着いて理解したい場合は、図解の多い入門書を1冊手元に置いておくと、ねんきん定期便を読むときにも役立ちます。

自分の年金額を確認する方法
年金額は加入期間や収入によって一人ひとり異なります。自分の年金額を確認するには、以下の方法があります。
1. ねんきん定期便を確認する
毎年誕生月に届くねんきん定期便には、これまでの加入実績に基づいた年金見込み額が記載されています。50歳以上の方には、60歳まで加入した場合の年金見込み額が記載されるため、より具体的な金額がわかります。
2. ねんきんネットでシミュレーション
日本年金機構の「ねんきんネット」に登録すると、パソコンやスマホからいつでも自分の年金記録を確認できます。将来の年金額をシミュレーションする機能もあるため、条件を変えて試算してみることも可能です。
3. 年金事務所に相談する
より正確な金額を知りたい場合は、最寄りの年金事務所に相談するのが確実です。予約制の「年金相談」を利用すれば、加入記録の確認から受給額の試算まで対応してもらえます。
年金額の計算方法
ざっくりとした目安を自分で計算する方法も知っておくと便利です。
国民年金の計算
満額 × 保険料納付月数 ÷ 480か月(40年)
例:30年間(360か月)納付した場合
約70,600円 × 360 ÷ 480 = 約52,950円/月
厚生年金のざっくり計算
平均年収 × 0.005481 × 加入年数 ÷ 12
例:平均年収400万円で35年間加入した場合
4,000,000 × 0.005481 × 35 ÷ 12 = 約63,945円/月
+国民年金(満額)約70,600円
= 合計 約134,500円/月
あくまでも概算ですので、正確な金額は「ねんきんネット」や年金事務所で確認してください。
自分で概算してみるときは、桁数の多い計算にも対応できる12桁の電卓があると数字を確かめやすくなります。

年金を増やすための方法
年金額に不安がある場合、受給額を増やすための方法がいくつかあります。
1. 繰下げ受給を検討する
年金の受給開始は原則65歳ですが、最大75歳まで繰り下げることで受給額を大幅に増やせます。1か月繰り下げるごとに0.7%増額されるため、70歳まで繰り下げると42%増、75歳まで繰り下げると84%増になります。
- 65歳開始:月15万円 → 70歳開始:月21万3,000円(42%増)
- 65歳開始:月15万円 → 75歳開始:月27万6,000円(84%増)
繰下げ受給は長生きするほどお得ですが、繰下げ期間中は年金を受け取れません。その間の生活費を貯蓄などでまかなえることが前提です。また、加給年金や振替加算は繰下げしても増額されない点も要注意です。
2. 任意加入制度を利用する
国民年金の保険料を満額(40年間)納められなかった方は、60歳以降も任意加入で保険料を追納できます(65歳まで)。免除・猶予期間があった方も追納が可能です。
3. 付加年金に加入する
国民年金の第1号被保険者は、月額400円の付加保険料を納めることで、年金額を増やせます。「200円 × 付加保険料の納付月数」が年額として毎年受給できるため、2年で元が取れる計算です。
4. iDeCo・NISAを活用する
公的年金だけでは不安な場合、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)を活用した資産形成も有効です。これらは税制優遇があるため、効率的に老後資金を増やすことができます。
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よくある質問
Q. 年金だけで生活できますか?
厚生年金を受給できる方は月約15万円が目安ですが、生活費の平均は約14万9,000円なので、税・社会保険料を含めるとやや不足する可能性があります。国民年金のみの方は月約7万円程度なので、年金だけでの生活は厳しいのが現実です。
Q. 年金の繰上げ受給はおすすめですか?
繰上げ受給は60歳から受け取れますが、1か月あたり0.4%減額されます。65歳前に受け取り始めると一生減額された金額が続くため、慎重に判断しましょう。
Q. 専業主婦(主夫)の年金はいくら?
第3号被保険者として国民年金に加入していた期間分の老齢基礎年金を受給できます。満額で約70,600円/月が目安です。
Q. 離婚した場合、年金分割はどうなりますか?
婚姻期間中の厚生年金の保険料納付記録を分割できる「年金分割制度」があります。合意分割と3号分割の2種類があり、離婚後2年以内に手続きが必要です。詳細は年金事務所にご確認ください。
年金は老後の生活を支える大切な収入源です。まずは「ねんきんネット」で自分の受給見込み額を確認し、不足分をどう補うか計画を立てることから始めてみましょう。
年金の受給額を左右する3つの要素
年金額は人によって大きく異なりますが、受給額を決める主な要素は3つです。
1. 加入期間
国民年金は40年(480か月)納付すると満額を受け取れます。未納・免除期間があると、その分減額されます。厚生年金も加入期間が長いほど受給額が増えます。
2. 報酬(給与)の額
厚生年金は現役時代の平均的な給与額に比例して受給額が決まります。年収が高いほど保険料も高くなりますが、将来の年金も多くなります。
3. 受給開始年齢
繰上げ受給(60歳〜)にすると減額され、繰下げ受給(66〜75歳)にすると増額されます。1か月単位で選べるため、自分の健康状態や貯蓄とのバランスで決めることが大切です。

ねんきん定期便の見方
年金額を把握するうえで最も手軽な方法が、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」の確認です。
50歳未満の方のねんきん定期便
- これまでの加入実績に応じた年金額が記載されている
- 将来の見込み額ではなく「今の時点で受け取れる額」なので注意
- 今後の加入分は反映されていない
50歳以上の方のねんきん定期便
- 60歳まで現在の条件で加入した場合の見込み額が記載される
- より現実に近い金額がわかるので、老後の生活設計に活用しやすい
- 繰下げ受給した場合の増額分は記載されていないので別途計算が必要
ねんきん定期便が届いたら、「加入月数に漏れがないか」も合わせて確認しましょう。転職が多い方は、厚生年金の加入記録が正しく反映されていないケースもあります。疑問があれば年金事務所に問い合わせて確認しておくと安心です。
毎年届くねんきん定期便は、ファイルにまとめて保管しておくと、前の年と見比べて記録の漏れに気づきやすくなります。
年金だけに頼らない老後の収入源
年金はあくまで老後収入の「土台」です。不足分を補うためのさまざまな方法を検討しておきましょう。
働いて収入を得る
定年後も再雇用制度やシルバー人材センターを利用して働く方は年々増えています。在職老齢年金の仕組みにより、一定以上の収入があると年金が減額されるケースもあるため、収入と年金のバランスを確認しておくことが大切です。
資産運用で備える
iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)を活用した資産形成は、税制優遇を受けながら効率よく老後資金を増やせる手段です。50代からでも十分間に合いますので、検討してみてください。iDeCoは掛金が全額所得控除、NISAは運用益が非課税になるため、通常の預貯金よりも効率的に資産を増やすことが期待できます。
退職金の管理
退職金は老後資金の大きな柱ですが、一度に大きな金額を受け取ると計画性なく使ってしまうリスクがあります。退職金の使い道は事前に計画を立て、一部を定期預金や投資に回すなど、計画的に管理することが重要です。退職金で住宅ローンの残債を一括返済するか、手元資金として残すかの判断も老後の家計に大きく影響します。
参考:日本年金機構|公的保険アドバイザー協会「2026年度の年金額」
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