遺言書の作成を弁護士に依頼したいけれど、「費用がいくらかかるのか分からない」と不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
弁護士に遺言書の作成を依頼する場合の費用相場は、10万~30万円程度が一般的です。公正証書遺言の作成をサポートしてもらう場合は、別途公証人手数料が加わります。
この記事では、弁護士に遺言書の作成を依頼する場合の費用の内訳、他の専門家との比較、弁護士に依頼するメリットについて詳しく解説します。

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弁護士に遺言書の作成を依頼する費用の相場
弁護士費用は事務所ごとに異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
自筆証書遺言の場合
弁護士に自筆証書遺言の作成をサポートしてもらう場合の費用相場は、10万~20万円程度です。遺言の内容を弁護士が法的にチェックし、文案を作成してくれます。ただし、実際に手で書くのは遺言者自身です。
公正証書遺言の場合
公正証書遺言の作成を弁護士にサポートしてもらう場合の費用相場は、15万~30万円程度です。これに加えて公証人手数料が別途かかります。弁護士が公証人との打ち合わせや証人の手配なども代行してくれるケースが多いです。
遺言執行者の報酬
弁護士を遺言執行者に指定する場合は、相続発生後に遺言執行報酬が別途かかります。報酬の相場は遺産総額の1~3%程度で、最低報酬額を30万~50万円程度に設定している事務所が多いです。
依頼する前に、相続や遺言の基本をわかりやすい本で押さえておくと、弁護士との打ち合わせで話が通じやすく、見積もりの内容も判断しやすくなります。
弁護士費用の他に、公正証書遺言を作成する場合は公証人手数料が必要です。公証人手数料は遺産の額に応じて定められており、1億円以下の場合は遺言加算13,000円も加算されます(2025年10月改正後)。
公証人手数料の目安
公正証書遺言を作成する際の公証人手数料は、相続させる財産の額に応じて定められています。以下は主な目安です。
- 50万円以下:3,000円
- 50万円超~100万円以下:5,000円
- 100万円超~200万円以下:7,000円
- 200万円超~500万円以下:13,000円
- 500万円超~1,000万円以下:20,000円
- 1,000万円超~3,000万円以下:26,000円
- 3,000万円超~5,000万円以下:34,000円
- 5,000万円超~1億円以下:54,000円
これは相続人・受遺者ごとに計算し、合算した金額になります。また、遺言の目的財産の合計額が1億円以下の場合は、上記の合計額に13,000円が加算されます(遺言加算、2025年10月改正後)。

弁護士に依頼する7つのメリット
1. 法的に有効な遺言書を作れる
弁護士は法律のプロです。形式面だけでなく、遺言の内容が法的に有効かどうかもチェックしてくれるため、後日無効になるリスクを大幅に減らせます。
2. 遺留分への配慮ができる
遺留分(法定相続人に保障される最低限の取り分)を考慮した遺言書を作成できます。遺留分を無視した遺言は有効ですが、遺留分侵害額請求を受けるリスクがあります。弁護士に相談すれば、遺留分トラブルを防ぐ内容にしてもらえます。
3. 複雑な相続関係に対応できる
前婚の子どもがいる場合、養子縁組がある場合、事業承継を含む場合など、複雑な案件にも対応できるのは弁護士の強みです。
4. 紛争予防の視点でアドバイスがもらえる
弁護士は相続争いの実態を知っているため、「この内容だと揉める可能性がある」といった紛争予防の観点からアドバイスしてくれます。
5. 遺言執行者を依頼できる
遺言執行者を弁護士に指定しておけば、相続発生後の手続きもスムーズに進みます。
6. 公証人との連携がスムーズ
公正証書遺言を作成する場合、公証人との打ち合わせや必要書類の準備を弁護士が代行してくれます。
7. 相続全般の相談ができる
遺言書の作成だけでなく、相続税対策や生前贈与、家族信託など、相続全般について相談できます。
弁護士と他の専門家の費用比較
遺言書の作成を依頼できる専門家は弁護士だけではありません。それぞれの費用相場と特徴を比較してみましょう。
行政書士の場合
費用相場は5万~15万円程度で、弁護士より安価です。ただし、紛争性のある案件には対応できず、調停や訴訟の代理もできません。
司法書士の場合
費用相場は8万~20万円程度です。不動産の相続登記も合わせて依頼できるのが強みですが、遺産分割の交渉代理はできません。
弁護士の場合
費用相場は10万~30万円程度で最も高額ですが、紛争予防・遺留分対策・遺言執行まで一貫してサポートできるのは弁護士だけです。相続人間の関係が複雑な場合や、トラブルが予想される場合は弁護士への依頼がおすすめです。
費用だけで判断するのではなく、相続の状況に合った専門家を選ぶことが大切です。相続人が多い・揉める可能性がある場合は弁護士、シンプルな内容なら行政書士というように使い分けましょう。

弁護士に依頼する際の流れ
ステップ1:初回相談
まずは弁護士に初回相談を申し込みます。初回相談は30分~1時間程度で、無料の事務所も多いです。家族構成、財産の概要、遺言で実現したいことを伝え、費用の見積もりをもらいましょう。
家族構成や財産、誰に何を残したいかは、相談の前にエンディングノートへ書き出しておくと、限られた相談時間を有効に使えます。なお、エンディングノートには法的効力はないため、遺言としての効力が必要な場合は形式を満たした遺言書を作成してください。
ステップ2:委任契約の締結
依頼を決めたら、弁護士と委任契約を結びます。契約書には報酬額、支払い時期、業務範囲が明記されているので、必ず内容を確認してください。
ステップ3:資料の提出と打ち合わせ
戸籍謄本、財産に関する資料(不動産の登記簿、預金通帳、保険証券など)を弁護士に提出し、遺言の内容について打ち合わせを行います。通常2~3回の打ち合わせで原案が完成します。
ステップ4:遺言書の完成
自筆証書遺言の場合は、弁護士が作成した原案を遺言者が手書きで清書します。公正証書遺言の場合は、弁護士が公証人と連携して作成を進め、公証役場での手続きに同行します。
自筆証書遺言を清書するときは、便箋・封筒・記入例がセットになった遺言書キットを使う方もいます。自筆証書遺言は形式の要件があるため、不安なときは弁護士に最終確認してもらうほか、法務局の保管制度も確認しておきましょう。
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弁護士費用を抑えるコツ
初回無料相談を活用する
多くの法律事務所では、初回相談を無料で実施しています。まずは無料相談で費用の見積もりをもらい、複数の事務所を比較してみましょう。
法テラスを利用する
収入が一定以下の場合、法テラス(日本司法支援センター)の無料法律相談や、弁護士費用の立て替え制度を利用できる場合があります。
明確な料金体系の事務所を選ぶ
ホームページ等で料金表を明示している事務所を選ぶと、想定外の費用が発生するリスクを減らせます。
パック料金を利用する
遺言書の作成から遺言執行者の指定までをセットにした「遺言パック」を提供している事務所もあります。個別に依頼するより割安になるケースがあるため、問い合わせてみる価値があります。

弁護士に依頼すべき人・不要な人
弁護士への依頼がおすすめな人
- 相続人間の関係が複雑で、将来トラブルになりそう
- 前婚の子どもや養子がいるなど、相続関係が複雑
- 遺留分を考慮した遺言書を作りたい
- 事業承継を含む遺言書が必要
- 遺言執行者も合わせて依頼したい
弁護士でなくても対応可能な人
- 家族関係がシンプルで、揉める心配がない
- 遺言の内容が「全財産を配偶者に」など単純
- 費用を最小限に抑えたい → 行政書士がおすすめ
- 不動産の名義変更も合わせてやりたい → 司法書士がおすすめ
遺言執行者を弁護士に依頼するメリット
遺言書の作成と合わせて、弁護士を「遺言執行者」に指定することも検討してみてください。遺言執行者とは、遺言の内容を実現するための手続きを行う人のことです。
遺言執行者の役割
- 不動産の名義変更手続き
- 預貯金の解約・分配
- 有価証券の名義変更
- 相続人への財産の引き渡し
- 認知(婚外子の認知)の届出
弁護士を遺言執行者にするメリット
法的な知識が必要な場面でも適切に対応できるため、相続人間のトラブルを防ぎながらスムーズに手続きを進められます。特に、相続人間で意見が対立しそうな場合は、第三者である弁護士が遺言執行者を務めることで、公平性を保てます。
遺言執行報酬は遺産総額の1~3%程度が相場で、最低報酬額を30万円程度に設定している事務所が多いです。遺言書作成と合わせて依頼すれば、セット料金で割安になるケースもあります。

よくある質問(Q&A)
Q. 弁護士に遺言書を依頼するとき、何を持って行けばいいですか?
初回相談時には、家族構成がわかる資料(戸籍謄本など)、財産の一覧(不動産の権利証・預貯金の通帳・保険証券など)、遺言の内容の希望をメモしたものがあるとスムーズです。
戸籍謄本や通帳のコピーなど、集めた資料は書類ファイルに1つにまとめておくと、相談の場で慌てずに取り出せます。
Q. 遺言書の作成にどのくらいの期間がかかりますか?
自筆証書遺言なら1~2週間程度、公正証書遺言なら公証人との調整も含めて1~2ヶ月程度が目安です。複雑な内容の場合はさらに時間がかかることもあります。
Q. 弁護士に依頼しても遺言が無効になることはありますか?
形式面での無効リスクはほぼなくなりますが、遺言能力の問題(認知症など)は弁護士の関与だけでは完全に防げません。判断能力に不安がある場合は、医師の診断書を取得しておくことをおすすめします。
Q. 遺言書を作成した後に内容を変えたい場合はどうすればいいですか?
遺言書はいつでも変更できます。弁護士に依頼して新しい遺言書を作成すれば、前の遺言と矛盾する部分は新しい内容が優先されます。変更の都度弁護士費用がかかりますが、状況の変化に合わせて定期的に見直すことが大切です。
まとめ
弁護士に遺言書の作成を依頼する費用は、自筆証書遺言で10万~20万円、公正証書遺言で15万~30万円が相場です。他の専門家と比べて費用は高めですが、法的な安全性と紛争予防の観点では最も心強いパートナーです。
特に、相続人間の関係が複雑な場合や遺留分の配慮が必要な場合は、弁護士への依頼を検討してみてください。まずは初回無料相談を活用して、費用や進め方を確認するところから始めましょう。
参考リンク:日本公証人連合会 – 手数料 | 法テラス(日本司法支援センター) | 日本弁護士連合会 – 法律相談
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