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相続した空き家を売却する方法|税金の控除制度も解説

相続手続き・遺産分割

親が亡くなって実家が空き家になってしまった…そんな悩みを抱える方は年々増えています。総務省の調査によると、日本の空き家数は増加傾向にあり、社会問題となっています。空き家を放置すると固定資産税の増額や老朽化によるリスクが生じるため、早めの対応が求められます。

空き家を売却する場合、譲渡所得税がかかりますが、一定の条件を満たせば「空き家の3,000万円特別控除」を利用でき、税負担を大幅に減らすことが可能です。この特例の適用期限は2027年12月31日までの譲渡となっており、今のうちに検討しておくことが大切です。

この記事では、相続した空き家の売却方法、かかる税金、活用できる控除制度について詳しく解説します。

ナビ助
ナビ助
空き家問題は社会的にもどんどん深刻になってるよね。放置するリスクと売却のメリット、しっかり比較して判断しよう!

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空き家を放置するリスク

固定資産税が最大6倍に

通常、住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」により固定資産税が最大1/6に軽減されています。しかし、2015年に施行された「空家等対策特別措置法」により、管理不全の空き家が「特定空家」や「管理不全空家」に指定されると、この軽減措置が解除され、固定資産税が最大6倍になる可能性があります。

2023年の法改正により、「管理不全空家」の制度が新設されました。これにより、特定空家に至る前の段階でも、管理が不十分な空き家は固定資産税の軽減措置の対象外となる可能性が出てきています。

倒壊・犯罪のリスク

老朽化した空き家は倒壊の危険があります。屋根瓦や外壁が落下して通行人にケガをさせた場合、所有者が損害賠償責任を問われる可能性があります。また、空き巣や不法投棄、放火の標的になることもあり、近隣住民への迷惑にもなります。

売却までの間、遠方からなかなか様子を見に行けない場合は、屋外用の防犯カメラを設置して状況を確認できるようにしておく方もいます。電源や通信環境の条件は製品ごとに異なるので、仕様を確認してから選びましょう。

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資産価値の下落

建物は時間の経過とともに老朽化し、資産価値が下がります。特に木造住宅は築年数が経つほど価値が下がるため、売却を検討しているなら早めに行動した方が有利です。

維持管理のコスト

空き家を維持するには、固定資産税のほかにも、定期的な通気・清掃・庭の手入れ、火災保険料などのコストがかかります。遠方に住んでいる場合は、交通費や管理代行サービスの費用も必要です。

ナビ助
ナビ助
空き家を放置しておくメリットはほとんどないよ。固定資産税は毎年かかるし、管理の手間もバカにならないからね!

空き家の3,000万円特別控除とは

相続した空き家を売却した場合に使える税制上の優遇措置として、被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例があります。

この特例を使えば、譲渡所得(売却益)から最高3,000万円を控除できるため、売却時の税負担を大幅に軽減できます。多くのケースでは、この特例を使うことで譲渡所得税がゼロまたは大幅に減額されます。

適用期限

この特例の適用期限は令和9年(2027年)12月31日までの譲渡です。それまでに売却を完了する必要があります。

ポイント

空き家の3,000万円特別控除の主な要件

  • 相続または遺贈で取得した被相続人の居住用家屋またはその敷地であること
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること(旧耐震基準の建物)
  • 相続開始の直前まで被相続人が1人で住んでいたこと(老人ホーム入居の場合は一定の例外あり)
  • 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 売却金額が1億円以下であること
  • 家屋を取り壊して更地にするか、耐震リフォームをしてから売却すること(令和6年1月1日以降は、売却後に買主が取り壊し・耐震リフォームを行う場合も可)
  • 相続してから売却するまでの間、事業・貸付・居住に使用していないこと

控除額の注意点

令和6年(2024年)1月1日以後の譲渡で、相続人が3人以上の場合は控除額が2,000万円に縮小されます。相続人が1人または2人の場合は、従来どおり3,000万円の控除が受けられます。

令和6年改正のポイント

令和6年1月1日以降の譲渡から、要件が一部緩和されました。従来は売却前に売主側で家屋の取り壊し又は耐震改修を行う必要がありましたが、改正後は売却後に買主側がこれらの措置を行うケースでも適用できるようになりました。これにより、特例を利用しやすくなっています。

ナビ助
ナビ助
3,000万円の控除はかなりデカいよ!でも要件が細かいから、売却前にしっかり確認しておこう。特に建築年と売却期限は要チェックだよ!

空き家売却の具体的な流れ

ステップ1:相続登記を行う

売却するには、まず不動産の名義を被相続人から相続人に変更する必要があります。2024年4月から相続登記が義務化されており、相続を知ってから3年以内の登記が必要です。登記に必要な書類は、戸籍謄本・遺産分割協議書・印鑑証明書・住民票等です。

登記から売却、確定申告まで同じ書類を何度も使うので、書類ごとに仕切れるファイルにまとめておくと、必要なときにすぐ取り出せます。

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ステップ2:空き家の状態を確認する

建物の状態によって、売却方法が変わります。

  • そのまま売却(中古住宅として):築年数が浅く状態が良い場合に有効
  • 更地にして売却:老朽化が進んでいる場合に有効。3,000万円控除の要件にも合致しやすい
  • リフォームして売却:リフォームコストと売却価格のバランスを検討。費用対効果が見合う場合のみ

ステップ3:不動産会社に査定を依頼する

複数の不動産会社に査定を依頼し、売却価格の相場を把握しましょう。最低3社以上に査定を依頼するのがおすすめです。一括査定サイトを利用すれば、手軽に複数社の査定を比較できます。

ステップ4:売却活動と契約

不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を開始します。媒介契約には「専属専任」「専任」「一般」の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。1社に集中して任せたい場合は専任契約、複数社に依頼したい場合は一般契約を選びましょう。買い手が見つかったら売買契約を締結し、引き渡しを行います。

ステップ5:確定申告

空き家を売却した翌年の2月16日〜3月15日の間に確定申告を行います。3,000万円特別控除を受けるには、「被相続人居住用家屋等確認書」の添付が必要です。この確認書は、空き家の所在地の市区町村で交付を受けます。

注意

「被相続人居住用家屋等確認書」の交付には1〜2週間程度かかる場合があるため、売却が決まったら早めに市区町村の担当窓口(住宅課・都市計画課等)に申請しましょう。確定申告の直前だと間に合わない可能性があります。

空き家売却にかかる税金

譲渡所得税・住民税

不動産の売却益(譲渡所得)に対して、所得税と住民税がかかります。税率は所有期間によって異なります。

  • 長期譲渡所得(所有期間5年超):所得税15.315% + 住民税5% = 合計約20.315%
  • 短期譲渡所得(所有期間5年以下):所得税30.63% + 住民税9% = 合計約39.63%

相続した不動産の所有期間は、被相続人の取得日から起算します。親が数十年前に購入した家であれば、ほとんどの場合は長期譲渡所得(約20.315%)の税率が適用されます。

相続税の取得費加算の特例

相続税を支払っている場合、相続開始後3年10か月以内に売却すれば、支払った相続税の一部を取得費に加算できる「取得費加算の特例」が使えます。ただし、空き家の3,000万円控除との併用はできませんので、どちらが有利か比較検討が必要です。一般的には、3,000万円控除の方が節税効果が大きいケースが多いですが、個別の状況によって異なるため、税理士に計算を依頼するのがおすすめです。相談の前に基本的な仕組みをつかんでおきたい方は、相続した不動産の税金を解説した書籍に目を通しておくと、説明が理解しやすくなります。

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印紙税

売買契約書には印紙を貼る必要があります。契約金額によって印紙税額は異なり、1,000万円超5,000万円以下の場合は1万円(軽減税率適用時)です。

ナビ助
ナビ助
3,000万円控除と取得費加算は併用できないから、どっちがお得か計算してみよう。税理士に相談するのがおすすめだよ!

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空き家を売却しない場合の選択肢

賃貸に出す

立地が良ければ、リフォームして賃貸物件として活用する方法もあります。家賃収入が得られる一方、リフォーム費用(数百万円)や管理の手間がかかります。また、賃貸に出すと3,000万円特別控除が使えなくなる可能性があるため、慎重に判断してください。

自治体の空き家バンクに登録する

空き家バンクは、自治体が運営する空き家のマッチングサービスです。通常の不動産市場では売りにくい物件でも、移住希望者とのマッチングが期待できます。無料で登録できる自治体がほとんどです。

解体して土地として活用する

駐車場経営や太陽光発電など、更地にしてから活用する方法もあります。解体費用の目安は以下のとおりです。

  • 木造:坪あたり3〜5万円程度
  • 鉄骨造:坪あたり5〜7万円程度
  • RC造:坪あたり7〜10万円程度

30坪の木造住宅であれば、解体費用は90万円〜150万円程度が目安です。自治体によっては解体費用の補助制度がある場合もあるため、確認してみましょう。

相続土地国庫帰属制度

2023年4月にスタートした「相続土地国庫帰属制度」を使えば、相続した土地を国に引き取ってもらうことができます。ただし、建物がある土地は対象外(解体が必要)で、負担金として20万円(一部の土地は面積に応じた金額)がかかります。利用条件も厳しいため、事前に法務局に相談しましょう。

Q&Aコーナー

Q1. 空き家の3,000万円控除は相続税の控除とは別?

はい、別の制度です。空き家の3,000万円控除は譲渡所得税の特例であり、相続税とは直接関係ありません。相続税の基礎控除とは別枠で利用できます。

Q2. 昭和57年以降の建物は3,000万円控除が使えない?

空き家の3,000万円特別控除の対象は、昭和56年5月31日以前に建築された建物(旧耐震基準)に限られます。昭和57年以降の建物は、この特例の対象外です。ただし、売却した不動産がマイホームだった場合は、別の「3,000万円特別控除(居住用財産の特例)」が使える場合があります。

Q3. 空き家の管理を代行してくれるサービスはある?

空き家の巡回・点検・清掃・郵便物回収などを代行する「空き家管理サービス」を提供する不動産会社やNPO法人があります。月額5,000円〜1万円程度で利用できるサービスが一般的です。売却までの間、一時的に利用するのもひとつの方法です。

Q4. 売れない空き家はどうすればいい?

なかなか買い手がつかない場合は、価格の見直し、更地にしての売却、空き家バンクへの登録、相続土地国庫帰属制度の利用などを検討しましょう。不動産会社による買取(業者買取)は価格が安くなりますが、確実に売却できるメリットがあります。

まとめ

相続した空き家を放置すると、固定資産税の増額・倒壊リスク・資産価値の下落など、デメリットが大きくなります。売却を検討するなら、「空き家の3,000万円特別控除」が使えるうちに早めに行動するのがおすすめです。

この特例の適用期限は2027年12月31日までで、相続開始から3年を経過する年の年末までに売却する必要があります。要件が細かいため、売却前に税理士に相談して要件を満たしているか確認しましょう。

空き家の管理に困っている方は、まずは不動産会社への査定依頼から始めてみてください。複数社に査定を依頼して、適正な売却価格を把握することが第一歩です。

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ナビ助
ナビ助
空き家は「放置しない」が鉄則だよ。3,000万円控除が使えるうちに売却を検討するのが賢い選択だね。まずは不動産会社に相談してみよう!

参考リンク:国税庁 空き家の3,000万円特別控除|税理士法人チェスター 空き家特例|政府広報オンライン 相続登記義務化

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