スマホ、パソコン、SNS、ネット銀行、サブスクリプションサービス。私たちの生活には「デジタル」が深く根づいています。
もし自分が突然亡くなったら、これらのデジタル情報はどうなるのか。家族がアクセスできず、ネット銀行の預金が宙に浮いたり、有料サービスの料金が引き落とされ続けたりする可能性があります。
こうしたリスクに備えるのが「デジタル終活」です。この記事では、デジタル終活の具体的なやり方を、整理すべき項目ごとに詳しく解説します。

デジタル終活で整理すべき5つの項目
1. スマホ・パソコンのロック解除情報
すべてのデジタル情報への入り口が「スマホとパソコン」です。ロック解除のパスコードやパスワードがわからないと、家族はデジタル遺品にアクセスすること自体ができません。
- スマホのパスコード(PIN・パターン)
- パソコンのログインパスワード
- 生体認証(指紋・顔認証)の代替手段
これらの情報は、信頼できる家族に口頭で伝えるか、エンディングノートに記載しておきましょう。
2. ネット銀行・ネット証券
ネット銀行やネット証券に預けている資産は、家族が存在を知らなければそのまま放置されてしまいます。
- 利用しているネット銀行・証券会社の名称
- 口座番号・ログインID
- パスワードの記録場所(直接記載しないことも選択肢)
- 暗号資産(仮想通貨)がある場合はウォレット情報
3. SNSアカウント
Facebook、X(旧Twitter)、Instagram、LINE、YouTubeなどのアカウントについて、以下を整理しておきましょう。
- 利用しているSNSの一覧
- 各サービスのID・パスワード
- 亡くなった後の扱い(削除する/追悼アカウントにする/そのままにする)
Facebookには「追悼アカウント管理人」を事前に設定できる機能があり、Googleには「アカウント無効化管理ツール」があるので、生前に設定しておくと安心です。

4. サブスクリプションサービス
定額制で利用しているサービスは、解約しない限り料金が引き落とされ続けます。
- 動画配信(Netflix、Amazon Prime、Disney+など)
- 音楽配信(Spotify、Apple Musicなど)
- クラウドストレージ(iCloud、Google One、Dropboxなど)
- ニュース・雑誌(日経電子版、楽天マガジンなど)
- その他(ゲーム、アプリ内課金、各種会員サービス)
利用しているサブスクの一覧を作り、引き落とし先のクレジットカードとともにリスト化しておくのが効果的です。
5. メール・クラウドデータ
メールアカウントやクラウドに保存されたデータも重要です。
- メールアカウント(Gmail、Yahoo!メールなど)のログイン情報
- クラウドに保存した写真・動画・書類
- 見られたくないデータの取り扱い方針
家族に残したい写真や動画は、クラウドだけでなく外付けHDDにもコピーしておくと、アカウントに入れない場合でも受け取りやすくなります。
パスワード管理の方法
デジタル終活で最も重要なのが「パスワードの管理と共有」です。
パスワード管理アプリを使う方法
1Password、Bitwarden、LastPassなどのパスワード管理アプリを使えば、すべてのパスワードを一元管理できます。マスターパスワード1つを覚えておけばすべてのサービスにアクセスできるため、エンディングノートにはマスターパスワードだけを記載すればOKです。
紙のリストを作る方法
アナログですが確実な方法です。サービス名・ID・パスワードを紙に書き出し、封筒に入れて金庫や銀行の貸金庫に保管します。定期的に内容を更新することが大切です。
書き出す用紙に迷ったら、サービス名・ID・更新日などの記入欄がそろったパスワード管理ノートを使うと、見直しのときも整理しやすくなります。
パスワードリストの保管場所を知っている人を限定し、不用意に第三者の目に触れないようにしてください。エンディングノートに直接パスワードを書く場合は、保管場所の管理を厳重にしましょう。
デジタル終活の進め方|4ステップ
ステップ1:デジタル資産の棚卸し
利用しているサービス、アカウント、デジタル資産をすべてリストアップします。
ステップ2:不要なアカウントを削除する
もう使っていないサービスのアカウントは、元気なうちに削除しておきましょう。情報漏洩のリスクも減らせます。
ステップ3:パスワードリストを作成する
残すアカウントのID・パスワードをリスト化し、安全な方法で保管します。
ステップ4:家族に情報を共有する
パスワードリストの存在と保管場所を、信頼できる家族に伝えておきます。
自宅で保管するなら、鍵付きの手提げ金庫にまとめておくと置き場所を伝えやすくなります。耐火性能などは製品ごとに異なるので、仕様を確認してから選んでください。

Apple・Googleのデジタル遺産機能
大手IT企業は、ユーザーの死後にアカウントを管理するための機能を提供しています。
Apple「デジタルレガシー」
iOS 15.2以降で利用可能。「故人アカウント管理連絡先」を設定しておくと、指定した人が死後にApple IDにアクセスできます。
Google「アカウント無効化管理ツール」
一定期間ログインがない場合に、指定した人にアカウントデータを共有したり、アカウントを削除したりする設定ができます。
おくりびとジャーナルのデジタル終活ガイドやセゾンのくらし大研究でも詳しく解説されています。
デジタル終活と並行して、お墓の準備も進めておきたいという方もいるでしょう。お墓を新しく建てる、または建て替える場合は、墓石ナビという一括見積もりサービスで複数の石材店の見積もりを比べる方法があります。見積もりは無料で、契約の義務もないと公式に案内されています。民営霊園は対象外とされているため、詳しくは公式サイトで確認できます。

よくある質問(Q&A)
Q. デジタル終活は何歳から始めるべきですか?
A. スマホやパソコンを日常的に使っている方なら、年齢に関係なく始めるべきです。万が一は誰にでも起こりえます。
Q. パスワードを家族に教えるのが不安です
A. パスワード管理アプリのマスターパスワードだけを共有する方法なら、普段のプライバシーを保ちつつ万が一に備えられます。封筒に入れて「万が一のときだけ開封してほしい」と伝える方法もあります。
Q. SNSアカウントは死後に削除してもらえますか?
A. 多くのSNSでは、死亡証明書を提出することで家族がアカウントの削除や追悼アカウントへの変更を申請できます。
Q. 暗号資産(仮想通貨)の終活はどうすればいいですか?
A. 利用している取引所名、ウォレットの種類、秘密鍵やシードフレーズの保管場所を記録しておくことが極めて重要です。これらがないと資産にアクセスできなくなります。
Q. 見られたくないデータはどうすればいいですか?
A. 生前に削除しておくのが最も確実です。削除が難しい場合は、パスワード管理アプリに「このフォルダは開かずに削除してほしい」旨を記載しておく方法もあります。
まとめ:デジタル資産の棚卸しから始めよう
デジタル終活は、スマホやパソコンを日常的に使う現代人にとって欠かせない終活の一つです。ネット銀行の預金、SNSアカウント、サブスクサービスなど、デジタル上の資産と情報は想像以上に多いものです。
まずは「自分がどんなデジタルサービスを使っているか」を一覧にすることから始めましょう。その上でパスワードリストを作り、家族に保管場所を伝えておけば、万が一の際にも安心です。
デジタル終活は一度きりではなく、定期的な見直しが大切です。半年に1回、パスワードの変更や新サービスの追加を反映する習慣をつけましょう。
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