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高額療養費制度の申請方法と入院時の自己負担上限額をわかりやすく解説

老後の生活とお金

入院や手術で医療費が高額になったとき、強い味方になるのが「高額療養費制度」です。「いくら以上で使えるの?」「申請はどうすればいい?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

高額療養費制度は、1か月の医療費の自己負担額が上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。令和8年8月からは上限額の改定が実施されるため、最新の情報をしっかり押さえておきましょう。

この記事では、高額療養費制度の仕組みから申請方法、入院時に知っておくべきポイントまで、具体的にわかりやすく解説します。

ナビ助
ナビ助
入院費が何十万円もかかるって聞くと不安だよね。でも高額療養費制度を使えば、自己負担はかなり抑えられるよ!

高額療養費制度の基本的な仕組み

高額療養費制度とは、同一月(1日から末日まで)にかかった医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合に、超えた金額が健康保険から払い戻される制度です。年齢や所得に応じて自己負担の上限額が設定されています。

この制度は国民健康保険、協会けんぽ、健保組合、後期高齢者医療制度など、すべての公的医療保険で利用可能です。

ポイント
  • 1か月単位で計算される(月をまたぐと別計算)
  • 同じ月であれば複数の医療機関の費用を合算できる(69歳以下は各21,000円以上が合算対象)
  • 入院時の食事代・差額ベッド代・先進医療費は対象外
  • 申請期限は診療月の翌月から2年以内

申請や医療費控除では医療機関の領収書が必要になるので、月ごとに分けて保管しておくと、あとで合算するときに困りません。

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令和8年8月改定後の自己負担上限額

令和8年(2026年)8月1日から、高額療養費制度の自己負担限度額が改定されました。以下は70歳未満の方の改定後の上限額です。

70歳未満の自己負担限度額(令和8年8月~令和9年7月)

  • 年収約1,160万円以上(区分ア):270,300円 +(総医療費 − 901,000円)× 1%
  • 年収約770万~1,160万円(区分イ):179,100円 +(総医療費 − 597,000円)× 1%
  • 年収約370万~770万円(区分ウ):85,800円 +(総医療費 − 286,000円)× 1%
  • 年収約370万円以下(区分エ):61,500円
  • 住民税非課税世帯(区分オ):36,900円

なお、令和9年8月からは所得区分がさらに細分化される予定で、段階的に上限額の見直しが行われます。最新の限度額は厚生労働省やご加入の健康保険のサイトで必ずご確認ください。

年間上限額の新設

令和8年8月からの大きな変更点として、年間を通じた自己負担の上限額が新たに設定されました。月ごとの上限額に達しない月が続いても、1年間の自己負担合計が所得区分ごとの年間上限に達すれば、それ以降は窓口負担が発生しない仕組みです。年間上限は区分アが168万円、区分イが111万円、区分ウ・エが53万円、区分オが29万円となっています。

ナビ助
ナビ助
月の上限だけじゃなくて年間の上限もできたんだ。長期間治療が続く人にとってはありがたい変更だよね!

入院前に知っておくべき「限度額適用認定証」

高額療養費制度は原則として「いったん窓口で全額を支払い、後から払い戻しを受ける」仕組みですが、入院前に「限度額適用認定証」を取得しておけば、窓口での支払いが上限額までに抑えられます。

限度額適用認定証の申請方法

  1. 加入している健康保険の窓口に申請する(国保の場合は市区町村の窓口)
  2. 「限度額適用認定申請書」を提出する
  3. 認定証が交付される(通常1週間程度)
  4. 入院時に医療機関の窓口で保険証と一緒に提示する
注意

70歳以上で住民税が課税されている方は、限度額適用認定証がなくても窓口負担が自動的に上限額で止まります。ただし、住民税非課税世帯の方は「限度額適用・標準負担額減額認定証」の申請が必要です。

高額療養費の申請方法

事後申請(払い戻し)の流れ

限度額適用認定証を使わなかった場合は、事後に申請して払い戻しを受けます。

  1. 医療機関の窓口で自己負担額を支払う
  2. 診療月の翌月以降に、加入する健康保険に高額療養費の支給申請を行う
  3. 審査を経て、上限額を超えた分が指定口座に振り込まれる(申請から約3か月後)

国民健康保険に加入している場合は、対象者に市区町村から申請書が届くことが一般的です。届いたら必要事項を記入して返送しましょう。

申請に必要な書類

  • 高額療養費支給申請書
  • 保険証
  • 医療機関の領収書
  • 振込先口座の情報
  • 印鑑(自治体によっては不要)

通院や入院が続くと、保険証・診察券・限度額適用認定証・お薬手帳など持ち歩くものが増えます。1つのケースにまとめておくと、窓口で慌てずに済みます。

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ナビ助
ナビ助
入院が決まったら、とにかく早めに限度額適用認定証を取っておくのがコツ!窓口での支払いがグッと楽になるよ。

多数回該当でさらに負担が軽くなる

過去12か月間に3回以上高額療養費の上限に達した場合、4回目からは「多数回該当」としてさらに低い上限額が適用されます。例えば年収約370万~770万円の方の場合、通常の上限額は85,800円ですが、多数回該当では44,400円まで下がります。

長期の入院や通院が続く方にとっては、この多数回該当の仕組みは大きな助けになります。

世帯合算で高額療養費を活用する

同じ健康保険に加入している家族の医療費を合算して高額療養費を申請できる「世帯合算」の仕組みもあります。ひとりでは上限額に届かなくても、家族の分を合わせると超えるケースがありますので、確認してみましょう。

ただし、69歳以下の場合は各医療機関での自己負担額が21,000円以上のものだけが合算対象となる点に注意が必要です。

高額療養費制度の対象外になるもの

以下の費用は高額療養費制度の対象外です。入院時の費用計画を立てる際は、これらの自己負担分も考慮に入れておきましょう。

  • 入院時の食事代(1食460円が標準)
  • 差額ベッド代(個室を希望した場合など)
  • 先進医療にかかる費用
  • 自由診療の費用
  • 入院中の日用品やテレビカード代

病院の売店やレンタルでそろえると割高になりやすい日用品は、入院前に自分で用意しておくのも一つの方法です。持ち込めるものは病院ごとに異なるので、事前に確認しておきましょう。

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よくある質問(Q&A)

Q. 入院が月をまたいだ場合はどうなる?

高額療養費は暦月(1日~末日)単位で計算されるため、月をまたぐとそれぞれの月で別々に計算されます。可能であれば、月の初めに入院して同月内に退院するスケジュールにすると、自己負担を抑えやすくなります。

Q. 高額療養費の申請を忘れていた場合は?

診療を受けた月の翌月初日から2年以内であれば、さかのぼって申請できます。過去の分で該当するものがないか、領収書を確認してみてください。

Q. 高額療養費と医療費控除は併用できる?

はい、併用できます。ただし、確定申告で医療費控除を受ける際は、高額療養費として払い戻された金額を差し引いた残りの自己負担額で計算する必要があります。

ナビ助
ナビ助
申請期限の2年を過ぎちゃうと払い戻しが受けられなくなるから、早めに手続きしておこうね!

70歳以上の自己負担限度額

70歳以上の方は、69歳以下とは異なる自己負担限度額が適用されます。外来のみの場合は個人ごとの限度額が設けられており、入院を含む場合は世帯ごとの限度額が適用されます。

  • 現役並み所得III(年収約1,160万円以上):270,300円 +(総医療費 – 901,000円)x 1%
  • 現役並み所得II(年収約770万~1,160万円):179,100円 +(総医療費 – 597,000円)x 1%
  • 現役並み所得I(年収約370万~770万円):85,800円 +(総医療費 – 286,000円)x 1%
  • 一般(年収156万~約370万円):外来22,000円(年間上限216,000円)/入院を含む世帯ごと61,500円
  • 住民税非課税世帯II(低所得II):外来11,000円(年間上限96,000円)/入院を含む世帯ごと25,700円
  • 住民税非課税世帯I(低所得I):外来8,000円/入院を含む世帯ごと15,700円

※こちらも令和8年(2026年)8月時点の金額です。

高額医療・高額介護合算療養費制度も活用しよう

医療費と介護費の両方が高額になっている世帯には、高額医療・高額介護合算療養費制度も用意されています。これは、1年間(毎年8月1日~翌年7月31日)にかかった医療保険と介護保険の自己負担額を合算し、一定額を超えた場合に超過分が払い戻される制度です。

例えば、70歳以上で住民税課税世帯(一般)の場合、医療費と介護費の合算上限額は年間56万円です。医療費と介護費の両方がかかっている方は、この制度の利用も検討してみてください。

申請先は加入している医療保険の窓口です。市区町村から通知が届く場合もありますが、届かない場合は自分から問い合わせてみましょう。

入院時の費用を抑えるためのチェックリスト

ポイント
  • 入院前に限度額適用認定証を取得しておく
  • 入院日はできれば月初に合わせる(月またぎ回避)
  • 差額ベッド代は本人が希望しない限り支払い義務なし
  • 食事代の減額制度(住民税非課税世帯向け)を確認
  • 民間の医療保険に加入している場合は給付金の請求を忘れずに
  • 確定申告で医療費控除を受けることも忘れずに

入院前の準備をしっかり行うことで、退院後の経済的な不安を軽減できます。特に高額療養費制度は事前に知っているかどうかで自己負担額が大きく変わるため、入院が決まったらすぐに準備に取りかかりましょう。

また、民間の医療保険に加入している場合は、入院給付金や手術給付金の請求手続きも忘れずに行いましょう。保険会社への連絡は入院前でも可能で、必要書類を事前に確認しておくとスムーズです。退院後は診断書の取得が必要になることが多いため、主治医にも早めに依頼しておくのがおすすめです。

なお、高額療養費と民間医療保険は別々の制度ですので、両方から給付を受けることが可能です。入院前にどちらの制度も利用できるよう準備しておくと、経済的な安心感が大きく違います。

まとめ

高額療養費制度は、入院や手術などで医療費が高額になったときの心強い制度です。令和8年8月からは自己負担上限額の改定と年間上限の新設が実施されるため、最新の上限額を確認しておくことが大切です。

入院が決まったら、事前に「限度額適用認定証」を取得しておけば窓口負担を大幅に抑えられます。高額療養費制度や合算療養費制度など、使える制度をフル活用して、経済的な不安を減らしたうえで安心して治療に臨みましょう。

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※この記事の情報は記事執筆時点のものです。令和8年8月以降の改定内容については、加入する健康保険や厚生労働省のホームページ(厚生労働省)で最新情報をご確認ください。

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